マネジメント

業務分担だけでなく役割分担を!個性を活かすマネジメントを実現

リーダーシップ
naoya

あなたのチームではメンバーの業務分担を決めて日々の仕事を進めていますか?

もしあなたが仕事をする中で、チームの雰囲気やムードが悪かったり、仕事がやりづらかったり、やる気の低いメンバーがいたり、居心地が悪かったり、といったことを感じているのであれば、チームの状態をどうにかして改善したいと考えていると思います。

この記事では、雰囲気・ムード・人材育成・生産性・業務効率・モチベーション・モラールなどに問題を抱えたチームを改善できる実践的な仕組みを解説していきます。

「仕事ができない部下」はマネジメントが原因かも?

近年、働き方改革の施行やブラック企業が社会的に問題視されるようになり、昔に比べて労働環境が改善されてきました。

その中で、新型コロナウィルスの影響で一気に浸透したリモートワークや、メンバーシップ型からジョブ型雇用、リスキリング、多様性、労働時間規制、ハラスメント規制、ライフワークバランスなど、マネジメントを取り巻く課題は大きく変わってきています。

一方で、昭和や平成の時代は、部下は上司の指示に従って動くものというピラミッド型のトップダウンマネジメントが主流でした。

これは、仕事は長時間働いて成果を出して成長していくもの、という社会通念が日本において浸透していたため、トップダウンマネジメントと相性が良かったためです。

しかし、現代ではトップダウンマネジメントでは成果を出すことが難しくなってきています。

なぜなら、前述の新しいマネジメント課題のある現代では、メンバーへの指示・命令や信頼関係の構築、モチベーション管理が難しくなっているからです。

この状態でトップダウンマネジメントをしてしまうと、指示無しでは動けない・動かないメンバーが増えてしまいます。

そして、現代はVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代と言われており、企業の競争優位性は変化が激しく予測が困難な状態になっています。

これらの理由から、信頼関係や仕事におけるモラールが低下し、長時間労働も無いため、成果のスピードや品質が落ち、余計な仕事が増える、付加価値が生まれないなど、労働生産性が落ちてきてしまいます。

つまり、部下が仕事ができないのではなく、部下のマネジメントが適切にできていないという問題が原因の可能性があります。

トップダウンマネジメントが得意な人ほど、この問題に気づきにくい傾向もあるため注意が必要です。

どのようにチームマネジメントをすれば良いか

現代で成果をあげるには多様性のある意見を出せる環境や、個々の強み生かせる環境、チームが団結できる環境が必要となります。

これは、個々の得意領域でそれぞれがリーダーシップを発揮できる環境が重要であることを示します。

しかし、このチームづくりを推進しようとしたときに、この情報をインプットをして意識したからと言ってチームが変えられるわけではありません。

例えば、ダイエットをしようとしても続かなかったり、目標達成した後にリバウンドしたり、といったことはよく耳にする話だと思います。

チームマネジメントにおいては継続してチームを成長させていくことが重要です。

そのため、人は楽する・忘れる生き物であることを認識し、情報とプロセスを可視化してオープンにすることが大切です。

実践的なリーダーシップ型マネジメント

ここからは、各メンバーの強みを活かしてリーダーシップを発揮し、チームとして補完しながら強くなれる実践的な方法をご紹介します。

チームに必要な役割を定義

役割とは、役職(ポジション)のことではなく、どのように振る舞うかの行動指針や期待についてをここでは指します。

例えば、ロールプレイングゲームなどでも、短距離攻撃役・遠距離攻撃役・回復役など、チーム内で必要な役割があるのではないでしょうか?

さらに、実際のチームとなると、ムードメーカーや冷静沈着な人、情熱的な人など、多様性が必要になる場面も多く出てきます。

セクションのチームでは同じようなことができるメンバーが集まる傾向にあるため、その中で役割を明示することで、様々な問題に迅速に対処しやすい環境になります。

そこで、運営面(おのずと業務分担のベースになる)と行動面での2つの軸での役割を定義していくと良いでしょう。

チームによって異なりますが、例としては以下のようなものが運営役割となります。

  • ディレクター
    • 特徴:全体を俯瞰して見ることに長けている人
    • 期待:リスク管理、進捗管理
  • ファシリテーター
    • 特徴:中立を保てる人
    • 期待:会議の円滑な進行
  • コーディネーター
    • 特徴:コミュニケーションが得意な人
    • 期待:他部門との交渉、折衝
  • リサーチャー
    • 特徴:市場や技術の情報感度に長けている人
    • 期待:勉強、情報発信
  • メンター
    • 特徴:傾聴力、実績、モラルが高い人
    • 期待:メンバー育成
  • XXXスペシャリスト
    • 特徴:チーム内のコア機能における詳しい人
    • 期待:アーキテクト、異常対応

また、行動役割は、

  • アタッカー
    • 特徴:行動に移るまでの時間が短い人
    • 期待:停滞に行動を促す
  • ディフェンダー
    • 特徴:行動にリスクを考えられる人
    • 期待:リスクの提言、会議や情報の独占の抑止
  • バランサー
    • 特徴:その場の雰囲気を察知でき、和ませられるムードメーカーな人
    • 期待:会議やチャットでの華、仕掛け作り、悪者を作らない

チームメンバーでスポーツや音楽、漫画などを取り入れた役割名を作るのも面白い取り組みです。

他にも、「ベルビンモデル」という9つの役割から成る研究結果も参考になり、まずはそちらに当てはめてみるのも有りでしょう。

役割の定着化

定着には、実際に意識・行動されているかの振り返りと、情報の新鮮化がキーとなります。

そのため、最初は役職としてのマネージャー、運営役割のファシリテーター、行動役割のアタッカーが旗振り役となり、振り返りを実施してみましょう。

役割における振り返りは、主に以下のような内容が含まれていればOKです。

  • 各メンバー自身が役割で行動できたことをシェア(自己肯定)
  • 同様に、行動できなかったことをシェア(反省)
  • 他メンバーの良かったことをシェア(承認)

また、必要に応じて役割自体の見直し、役割分担の見直しなども行ってみると良いでしょう。

まとめ

チームの雰囲気が悪いと仕事の成果はなかなか上がりづらいものです。

一方で、仲良しであれば良いということでもなく、各メンバーが役割に対してリーダーシップを発揮できる環境を作ることが大切となります。

仕事をする上で、本来の自分の強みを活かしながら役者として振る舞えることが、この時代には必要なスキルとなってくるでしょう。

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