チームの雰囲気は「グランドルール」によって改善しましょう
あなたの所属しているチームでは、心地よく・気持ちよく・快適に仕事ができていますか?
仕事でのストレスやメンバーとのすれ違い、リーダーやマネージャーとの対立が積み重なり、チーム全体の空気が悪くなっていることはめずらしくありません。
この記事では、そんな雰囲気が悪いチームを改善するための方法を解説していきます。
雰囲気が悪いチームの原因
チームの雰囲気が悪くなってしまう原因は様々あります。
その原因を特定して解消することは、マネージャーの力量が試されるところになります。
しかし、その原因を認識すること自体が難しいという問題があり、改善ができない状態が続いている場合も多いのが実情です。
以下に、原因の一例を示します。
- 他メンバーの仕事のやり方に不満
- メンバー間の業務量にばらつきがある
- リーダーが高圧的であったり信頼できない態度や行動を取る
- マネージャーによるマイクロマネジメント
- チーム目標に対して一丸となって進めていない
- メンバー間で情報格差がある
- チーム全体で成果が出ていなかったり会社に貢献ができていない
あなたのチームではこのような問題は発生していませんか?
雰囲気が悪いことによる影響
このような問題を抱えて雰囲気が悪い場合、チーム全体のパフォーマンスが落ちてきてしまいます。
例えば、あなたのチームには以下のような人がいませんか?
- 会議やディスカッションの中で他人の意見を否定して自分の意見を通すことが目的になってしまう人がいる
- 優先順位による建設的な仕事の割り振りではなく期限最重視で膨れ上がるマネジメントをする人がいる
- 作業のやり方まで上から目線で指示してマイクロマネジメントを行う人がいる
- 強い否定の言葉をよく出す人がいる
- 失敗を執拗に責める人がいる
これらによって、新しいことへの挑戦意欲が減ったり、チーム内でのコミュニケーションが減ったり、協力して目標を達成しようという協調性が減ったり、言われたことだけやるようになったり、と雰囲気が悪くなり、そして生産性が著しく低下し、さらには帰属意識も大きく損なわれてしまいます。
このような問題を解決し、持続的に成長できるチームに生まれ変わるにはどのようにしたら良いでしょうか?
よくあるのが、リーダーやマネージャーがこれに気づき、仕事をするときに注意を払いながら統率するようなリーダーシップを取る方法です。
もちろん、問題に気づき改善しようという点においては素晴らしいことです。
一方で、役職や立ち位置が上の人の意識付けだけで始めると、他メンバーが信頼感が薄い状態のためやらされ感やムダを感じてしまうことがあり、さらなるチームの雰囲気悪化という悪循環に繋がる恐れがあります。
グランドルールを作り上げて解決していく
そこで、このような悪循環を解消してチームの雰囲気を良くするために、グランドルールをチームで作り、運用・管理していくという方法をおすすめします。
グランドルールはチームに行動基準を与えます。
例えば、以下のような項目を参考にして、チームで話し合い、まずはやってみると良いでしょう。
- グランドルール
- おはようとお疲れ様を言葉で表すこと
- 感謝を言葉で表すこと
- 作業場の整理整頓に務めること
- 会議のグランドルール
- 会議前のルール
- 基準時間を設定すること
- チーム全体:1時間30分以内
- メンバー同士:45分以内
- 目的(報告・連絡・相談)と目標(会議自体のゴール状態)を共有すること
- ジャストタイムに開始ができるように準備すること
- 基準時間を設定すること
- 会議中のルール
- 意見に対してはメリットを考えた上で、デメリットやリスクといった対案を提示すること
- ひとりの1発言は1分以内とすること
- 内職をしないで自分ごととして参加すること
- 基準時間の終了5分前には、次のアクションプランを検討しはじめること
- アクションはその場でタスク管理に入れること
- 会議前のルール
- 業務遂行のグランドルール
- タスクを作成してから作業に取り掛かること
- 気づきを終業前に共有すること
- 疑問・質問はチームのチャットに端的に流すこと
- 疑問・質問には積極的に回答すること
- ナレッジを見える化すること
- 必要なチャットを読了したらスタンプを押すこと
- グランドルール自体
- グランドルールについて月に1度は振り返りをすること
- グランドルールで守れた項目
- グランドルールで守れなかった項目
- グランドルールがあって良かったポイント
- グランドルールがあって悪かったポイント
- グランドルールにおける他メンバーへの称賛
- 追加・変更・削除すること
- グランドルールは各大項目内で8項目以内に収めること
- グランドルールについて月に1度は振り返りをすること
さらに、これらの項目を設けた目的を明記しておくと、納得感が高まり、遵守率が高まります。
グランドルールの注意点
先に挙げたグランドルールについて、いくつか注意点があります。
- グランドルールの運用自体を目的化しないこと
- チームの生産性を向上させることおよび持続的なチームにすることが目的です
- 守っていないことを責めないこと
- 心理的安全性が低下してしまいます
- 定期的に更新すること
- 形骸化したルールでは効果が無くなります
- 前項の振り返りのやり方や、KPT法を参考にしましょう
余談ですが、ムードメーカーがチームにひとりいるだけで何かと雰囲気が良くなり、チームの生産性向上に寄与することがあります。
しかし、実は重要な役割であるのにも関わらず、あまり表立って評価される場面は少ないのではないでしょうか。
それも踏まえて、雰囲気という定性的な図りづらい部分も評価していける仕組みもまた大切なことです。
まとめ
良いチームは働きやすく、成長でき、心地よく仕事ができる環境になります。
そのためには、チームの雰囲気を自分が変えていくという気概と共に、仕組みを作ることが大切です。
チームの心理的安全性が確立された文化が構築できると、発想・分析・解決・汎化・実行・協調・持続など、様々な力を備えたチームになり、生産性が劇的に向上します。
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