1on1はムダな時間?効果を最大化させる3つの整理整頓
社員が成果を出しながら成長して気持ちよく働けるように、近年では1on1という手法が注目されています。
この1on1は、ヤフー、楽天、DeNA、グリーなどまずはIT企業を中心に導入が進んでいます。
一方で、上司との定期的な1対1での会話が必要となる1on1は、「意味がない」「苦痛な時間」「時間がもったいない」など、上司の1on1スキルが伴っておらず、有効性が低いという声があるのも事実です。
しかし、きちんと1on1のコツをつかんで実施すれば効果的である調査結果も出ています。
この記事では、この1on1の効果を高める考え方と方法を大きく3つ紹介します。
ポイント1 未来の整理整頓
部下がどのように自身の将来を考えているか深く知っていますか?
まず重要なのは、部下自身の夢・ライフプラン・スタンスなどの思考を知り、未来についての解像度をあげることです。
未来の目的・目標が分かっていない状態で、成長のためだからと1on1を実施しても無駄な時間と感じてしまうことは仕方のないことです。
そこで、以下のようなポイントを抑えて1on1のキックオフをしてみると良いでしょう。
- 1on1は、あなたの未来の成長した姿を作るための取り組みであること
- 成長した姿があれば教えて欲しいこと、まだ漠然していれば一緒に整理していくこと
- あなたの成長によって3年後の会社に必要な役割に重なる部分を探すこと
- あなたの成長によって現在のチームに必要な役割に重なる部分を探すこと
特に、3年後の姿を考える部分は、3年という数値が近すぎもせず遠すぎもしないところで創造しやすく、考える過程で会社について考えることで帰属意識や興味も高まることが期待できます。
また、部下の成長は会社と部下自身にどちらも有益になる部分があり、会社の多様性はここで高めていくことが重要です。
ポイント2 道筋の整理整頓
ポイント1が抑えられたら、次はそのステップ、短期目標を考えていくことです。
これは、評価に関わる目標とも照らし合わせて考える必要があり、少し難易度が高い部分です。
ここが失敗してしまうと、1on1は意味がないという意見が出てきてしまう要因にもなっています。
重要なポイントを以下です。
- 評価目標のフォローは、1on1とは別に執り行うこと
- 目標は業務時間に実施できる内容を含むこと
- 業務時間の5%は成長時間に充てられるようにマネジメントすること
部下の成長は会社のためでもあり、業務時間を使っての自己学習や振り返り活動、役割活動ができる環境を社内に作るのがマネージャーの大事な任務となります。
ポイント3 運用ルールの整理整頓
ポイント1で目的、ポイント2で目標を定めたら、それらを部下との1on1で振り返りをしていくことになります。
1on1の実践的なポイントは以下となります。
- 事実と意見を分けて話すこと
- 事実の確認後、次の一手に着目すること
- 数回に1度、目的・目標を振り返ること
- 解像度が低い場合は高めていく
- やってみて違うことに気づいたら軌道修正する
- 「ダメだね」に類似する強い言葉を使わないこと
- 良いことがあれば、結果だけでなくプロセスを称えること
- 自分が話す連続的な時間は1分以内に抑えてキャッチボールを心がけること
- 不自然な世間話を入れないこと
よく世間話を入れましょうというような1on1のレクチャーがありますが、不自然な世間話の導入は、マネージャーの考えによる意図的なもので無ければ基本的には必要ありません。
なぜなら、マネージャーと世間話に時間を使うよりも、自分の時間に使ってもらう方が納得感が高いからです。
また、部下に関連する話題でなければ、きちんと向き合ってもらえていないと部下が感じてしまうものなので注意しましょう。
まとめ
変化の激しい時代で成果を今まで以上に求められるようになっています。
その中で成果を上げ続けるためには、人が成長し続けることが必要です。
1on1はIT企業に限らずどのような企業やチームでも導入でき、人の成長とエンゲージメントの向上といった成果をあげることができる方法の一つです。
人が成長できる基盤を作ることこそがマネージャーの大切な役割となります。
そのためにも、マネージャー自身がマネジメント能力をあげていくように勉強していきましょう。
参考
https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000372/
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