人材育成と成果の両立は難しい?強いチームを構築する仕組み作りを解説
昨今、組織の中でプレイングマネージャーが増加傾向にあります。
プレイングマネージャーは、専門スキルで自身とチームの成果をあげることに加え、人材育成も求められるという、会社で一番のマルチスキルを必要とするポジションといっても過言ではありません。
そのような忙しい環境で働いているプレイングマネージャーの方や、プレイングマネージャーの負荷を低くしていきたいという経営者の皆様に、成果をあげながら人材育成ができるチーム基盤の構築および運用方法を解説していきます。
人材育成はなぜ必要か
人材の流動化が激しくなっている時代のため、成長できない環境だと感じたり、雰囲気の悪いチームだったり、業務負荷の偏りが多かったりすると、他社への転職に繋がってしまう可能性が高まります。
だからこそ、正攻法で成長できる環境作りは必須となっています。
そもそも、人材育成自体が容易であればプレイングマネージャーが困ることはありません。
しかし、どの企業でも人材育成がテーマとなっているように、明確な答えがない領域であることも事実です。
チームの基盤作り
人材育成もさることながら、成果をあげられる基盤がグラついているパターンも多く見受けられます。
成果をあげるためには、ヒト・モノ・カネ・情報の品質・コスト・納期をやりくりするマネジメント力が求められます。
これには、目標管理、タスク管理、リスク管理、イレギュラー対応、業務改善をシームレスに実行できるようになっているかがキーとなります。
マネジメント基盤
日頃からのマネジメントにおいて、最低限以下の5つのポイントを抑えて、情報をオープン化(見える化・可視化)しておくことが重要です。
目標管理
経営方針から、チームに課せられた目標に対して、ステップやKPIなど測定・観測可能な目標とチームの意義にブレイクダウンし、部下に分かりやすく方針展開できる形にします。
それらの目標を定期的に確認し、チームの存在意義を浸透させていきます。
タスク管理
目標達成には日々の業務や活動が必要です。
それらを遂行するにはタスク化し、いつまでに何を誰がやるのか情報をオープンにしておきます。
そうすることで、抜け漏れや納期遅れ、属人化を防止する第一歩になります。
リスク管理
目標は様々な要因から予定どおりに達成することが難しいことが多々あります。
例えば、顧客や別部署での納期遅延、為替や材料費高騰によるコスト増加、スタッフの病気・休業、受注の増加・減少などがあげられます。
このような思い当たるリスクを洗い出して評価し、回避・適正化・共有・保有といった方針を定めておきましょう。
イレギュラー対応
上記3つの管理点において、想定外のイレギュラー対応が求められることが発生することもあるでしょう。
事実の把握、報告先、対応依頼先を迅速に見極めて冷静に対処していきます。
エスカレーションのルールを定めておくことで、異常事態の早期発見・早期対応ができる可能性が高まります。
業務改善
上記4つのポイントにおいて、インシデントへの対策や情報の整理整頓をしておき、業務改善を日頃から心がけて目の前のムダ・ムラ・ムリを解消する環境が大切です。
人材育成基盤
マネジメント基盤に加えて、人材育成においては、誰が何をできるのか、どのような役割なのかをオープンにすることや1on1での成長促進などが必要です。
スキル管理
日常の業務を洗い出して、それを誰が担当しているのか・対応できるのかをスキル管理しておきましょう。
それによって、属人化の把握や業務主担当見直しによる効率化なども可能です。
人材育成においては、どの業務をできるようになると部下のキャリアとチームにとって良いのか、後述の1on1で方針を決めましょう。
役割分担
業務分担とは別に、チームに必要な役割を定義し、部下の特性とチーム事情に応じて役割分担していきましょう。
そして、役割の担当者は役割活動を実施し、その役割に応じて情報収集や学習、ミーティングなどを実施しましょう。
そのために、役割活動の時間を業務時間に5%程度設けることを推奨します。
1on1
スキル管理と役割分担を適切に運用していくために、部下との定期的な1on1を実施しましょう。
1on1では、業務の進捗報告ではなく、この人材育成領域における相談と気づきの共有に閉じておきましょう。
そうすることで、押さえつけ感のあるスケジュールの話ではなく、成長仮定を作っていく時間として使えるため、部下との信頼関係が作りやすくなります。
信頼関係は、人材育成において一番重要なポイントと言っても過言ではありません。
1on1のコツは以下の記事で詳しく紹介していますので併せてご覧ください。
まとめ
人材育成をするためには、そもそも通常の業務がきちんと回っている環境が前提です。
そのためには、マネージャーが率先して業務マネジメントと人材マネジメントの基盤作りをする必要があります。
つまり、人材育成の最初に一歩はマネージャー自身の学習が必要不可欠です。
チームのために成長していきましょう。
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